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解決事例2:不動産・退職金の財産分与が問題となった事例

事案の概要

 この件では、依頼者(妻)が相手方(夫)に離婚を申し出ており、離婚については争いがありませんでしたが(別居期間約2年)、財産分与において主張に隔たりがありました。

 そのため、財産分与を含む調停を申し立てましたが、不動産・退職金において、それぞれの評価に争いが生じていました。



当事務所の対応

●不動産については、お互いが不動産会社による査定書を提出していましたが、相手方の提出した査定書は、全く異なる環境の場所を基準点として、ことさらに評価を下げようとする内容のものであったため、そのことを主張書面にて調停委員会を伝えたところ、調停委員から相手方への説得がなされ、最終的にこちらの評価で計算することとなりました。

●退職金については、相手方の定年が到来していないものの、相手方の会社に退職金規程があり、かつ、相手方の会社の規模・財務状況から、将来的に退職金が支払われる可能性が極めて高いことを主張書面にて提示した結果、退職金についても、こちらの提示額どおりで財産分与がなされることとなりました。



このような事案におけるポイント

〇財産分与においては、それぞれの財産について適切な評価を行わなければ、損をしてしまう可能性があります。

〇不動産については、それぞれが査定書を提出することもありますが、査定内容に問題があることも少なくないため、「どのような査定がなされているのか」を検討しなければなりません。

〇将来的に支払われる退職金についても、退職金が支払われる可能性が高いこと(退職金規程の存在・会社の財務状況など)を適切に主張することで、財産分与において退職金が含まれる可能性があります。